So-net無料ブログ作成
検索選択
前の10件 | -

390  キツネとパンダ(前編)

「婚活で女性が男に求めるのは、まず正社員、ということだそうだ」
「なるほど。よく分かる」
「感心していて良いんですか」
「どういうことなんで」
「最近の女には、一緒に苦労しようという気持がない、という事じゃ無いですか」
「そんなことはないでしょう」
「まあ、おまえの考えは古い、と言われるかも知れませんが」
「確かに古い」
「参ったな」
「でもね、その古くさい考えも、いまや逆転しているんです。正社員と言うこ
とは、非正社員にされる可能性がある、ということです。最近の会社はめちゃ
くちゃだからね」
「うーん」
「いま、正社員だから安泰と言うことは無い。つまり、いつだれが正社員から
外されてもおかしくない。正社員だからこそ苦労する時代なんだ。だから、正
社員を望むからと言って、苦労を避けてるとは言い切れませんよ」
「しかし・」
「リストラ即離婚、というなら話は別ですが」
「そう言われると、俺には言葉がない」
「リストラ離婚しても構わないとは思いますが」
「過激な発言だ」
「そんなことより気になることがあります」
「なんでしょうか」
「男の側ですよ」
「はぁ」
「女は男に正社員を望む。それはそれで良い。ところで男はなにをアピールす
るつもりなのか、なんです」
「と言うと」
「プロポーズのセリフと言っても良いかな」
「はぁ」
「幸せにする、とか、一緒に暮らそう、とか何でも言い」
「うーん」
「実は俺も言ったことないんでうまく言えないんですが」
「あはは、俺もだ」
「でも、言うべきなんですよ、いまは」
「どうですかね」
「言わないから、正社員なんて条件を付けられるんです」
「うーん」
「正社員かどうかではなく、言っている言葉で男を選べ、と言いたい」
「なるほど。分からなくもありませんが」
「男は黙っていてはダメなんだ。肝心なことを言わないで、温かい家庭だとか、
子供を、なんてトンチンカンなこと言うんじゃダメなんです」
「そうかな」
「じゃあ、温かい家庭を作れるほど稼げるのか、稼ぐつもりなのか」
「なるほど」
「プライドのことだと思う」
「・・」
「リストラでこけるのはまず男だ。本人なんだから当たり前と言えば当たり前
ですが」
「動じるな、と言う方が無理だ」
「でも、そこでパチンコや酒に逃げてはダメだ。逃げるのは男じゃ無い、とあ
えて言いたい」
「いざとなったらねぇ」
「だから、男、の見せ時なんだ。プライドなんですよ」
「テレビドラマなら出来るかも知れないが」
「男、のあり方はいろいろある。オレ流で良いんだ。オレ流を見せれば良いん
です」
「さあ・・」
「たかがドラマですが、テレビドラマの中のセリフなのに、時々、はっとする
鋭い言葉がある。まあ、脚本家の言いたいことなのかも知れませんがね」
「うーん」
「作り話だからこそ、言いたいことが言えるのかも知れません」
「それは言えそうですね」
「この間見たドラマですが、女衒から逃げようと一人が言うとき、なんのため
に逃げる、逃げてなんになる、その先に何がある、ともう一人がつぶやいた。
このセリフは私の胸を刺しました。おまえは現実から逃げようとしているよう
だが、なんのために逃げる、リストラから逃げてなんになる、その先に何があ
る、地獄しかないぞ、と宣告された思いでした」
「うーん」
「女は逃げない、ならば男こそ、逃げてはならないのです」
「ドラマならば・・」
「正社員の男を求めるのは女が逃げているから、と考えるのは逃げている男だ
けでしょう」
「これは手厳しい」
「男なら、俺はフリーターだが、と居直れば良い」
「さあて」
「居直るためにこそ、男、という言葉があるのです」
「えらく高度な話だ」
「いや、実は、俺は男、なんて言わなくていい。簡単なアピールがあります」
「はて、どんな」
「俺は、生命保険に入っている、です」
「はあ・・」
「生命保険に入るよ、のほうが良いかな」
「??」
コメント(0) 

389  狼とチーター

「チーターくんは生命保険に入っているよね」
「はい」
「誇りに思っているかい?」
「いえ、そこまでは・・」
「もちろん、自分から言う必要は無いけれど」
「言うべきことなのかどうか・・」
「入って良かったとおもう?」
「うーん、どうなんでしょう・・」
「いずれ良かったとわかるさ。慌てなくてよい」
「はぁ」
「ところで、よく聞くグローバル化って、何のことだと思う」
「いきなり言われても・・」
「じゃあ、安さ追求、とはどういうことなのか、だが・・」
「なんの話なのか分かりませんが」
「ものの値段でもサービスでも同じなんだが、安さの追求は、命の価値を下
げるだけ、と覚えていてほしいんだ」
「・・」
「コスト削減のためと称して、給料を下げると何が起きるか・・」
「さあ・・」
「ギリギリ生活の社員に、いい仕事、良いサービスする余裕があると思うか?」
「そういうことですか」
「苦しい自分が、なぜ余裕あるやつにサービスしなければならないのか」
「・・・・」
「そう思っているうちはまだいい。いつの間にか、ロボットになるだけ」
「うーん」
「生活に余裕がなくなると、もう生命保険なんて入れなくなる」
「それがなにか・・」
「命を大切にという最後の気持が失われるような気がしてならないんだ」
「わかんないなぁ」
「生命保険は、次の世代の命を守る為のものなんだよ」
「はぁ」
「だから、若い時から入って欲しいし、十分な給料が必要なんだ」
「・・・」
「若いときは毎月の保険料は高くない」
「でも、そうすると、若いと命が安い、ということになりませんか」
「そう思うなら、大きな保険金のものに入れば良いだけのこと。安いのは払う
年数が長いからだ。低いのは命の値段ではなく死ぬの確率だよ」
「うーん・・」
「若いときはどの保険でも保険料は安い。だけど、歳取れば高くなる。そして、
高くなるのには理由がある。もちろん、保険会社の言い分だけどね。つまり、
歳をとってから安くと言うのは無理、と俺は言いたいわけ。保険会社の言うこ
とがどうだろうと、必要なカネは払うべきだ」
「そうかもしれないけど・・」
「安さだけを追うと、行き着く先は事故に決まってるじゃないか」
「なるほど、あのバスのことですか」
「俺は大丈夫、俺なら事故に遭わない、とみんな勝手に思うんだが」
「まあ・・」
「事故を起こすのは自分じゃ無い。だからこそ、防げないんだよ」
「いわれてみれば・・」
「それで、保険が成り立つ」
「そうか・・」
「でも、一方通行だぜ」
「はぁ」
「万一の備えはした。だから普段はできる限り安く、というのは成り立たない
んだよ」
「どうしてですか」
「万一での可能性と、毎日での可能性、同じ訳がない」
「そうか」
「そもそも、万一への備え、という考えが曲者でね」
「万一のことより、毎日のこと、と言いたいんですね」
「そのとおり」
「毎日気をつけていれば保険は無用・・」
「君は勘違いしているな。気を遣えではなく、カネを使え、だぜ」
「ええ??」
「安全にはケチるな、だ」
「・・」
「安全にもカネ払うなら、保険はいらないかも知れない」
「それは・・」
「毎日の安全のほうが、保険より遙かにカネがかかるんだぜ」
「そうか・・」
「もう一度言うが、毎日と万一、全く次元が違うんだよ」
「・・」
「だから、生命保険は若くて安いときに入っておくのがベストなんだ」
「その理屈が分かりませんが」
「まず、万一の備えというのは、程々以上は不可能。だから、生命保険も、若
い安い時で十分。安いと毎日の安全にも気とカネを回せる。でも、歳取ってか
ら保険に入ると、毎日の安全までカネがまわらなくなるかもしれないのさ」
「・・・」
「但し、高くなった分が社会への貢献なんだ。だから、払えるなら、言われた
金額で払うべきだ」
「・・」
「払えるのに、いい年して安さばかりを追うのは、逆に、毎日の安全なんか考
えていないからだと思う。見苦しいだけでなく、反社会的だ」
「そんな・・」
「生命保険の入り方というのは、まさに、カネの使い方そのものなんだよ」
「そうでしょうか」
「歳取れば取るほど、まず社会への貢献を考えるべきだ。その歳まで安全だっ
たんだから、こんどは恩返しせよ、なのさ」
「うーん」
「払えるなら払う、そういう貢献くらいやれ、と言いたいね」
「安さの追求は罪悪だと・・」
「命を守れ、というのは、安さだけを求めるな、という意味なんだよ」
コメント(0) 

388  羊とネズミ

「じいさん、どこかに行って来たの」
「病院の定期検診じゃ」
「えらいねぇ」
「歳を取るほど、健康管理が大切じゃからの」
「いい心懸けだけど、・・・」
「だけと、なにか言いたそうじゃな」
「だって、じいさんに、そんな心がけは似合わないじゃ無いか」
「わっはっは」
「やっぱり裏があるんだね」
「ふつう、寿命というと、あとどのくらい生きられそうか、じゃろうな」
「そうさ」
「わしの考えは逆じゃ。いつ死ねるのか、なのよ」
「やっぱり」
「ネズミさんなら、分かってくれるじゃろうが」
「爺さんのへそ曲がりは、あたしだけじゃ無く、みんなも分かっているよ」
「ありがたい事じゃ」
「でも、死にたくないはずだけど」
「もちろんじゃ」
「やっぱり生きたいんでしょ」
「違うのう。いつ死ぬか、じゃ。生きたくても寿命が尽きれば死ぬ。じゃから、
生きたいか死にたいかの話じゃ無いんじゃ。生きたいと願えば、寿命が延びる
わけじゃぁなかろうが」
「でも、死にたいような顔してないよ」
「じやから、生きたい、死にたい、の話じゃ無い、と言ったはずじゃ」
「はいはい」
「難しいことは何にも考えてないつもりじゃ、がの」
「なんで、死ぬ時期にこだわるのさ」
「生命保険に入っているからよ」
「ええ??」
「保険金が出るのは、いつか、なのよ」
「・・・」
「仮にの、あと三年と宣告された時じゃが、それは、家族にもう3年間ガマン
してくれ、と言うことになろうが」
「・・・」
「わしがいつ死ぬか、それは、家族がいつまでガマンするか、じゃ」
「でも・・」
「出来れば、早く保険金を家族に渡したい。かと言っても、生きていると出来
んからの」
「爺さんもガマンしていると・・」
「死は易く、むしろ生は難い、という言葉もあるようじゃがの」
「そのときまで爺さんも、家族もガマンしているなんて、哀しすぎるじゃ無い
か」
「家族は、わしの生命保険のことは知らん。それに、ご覧の通り動いていて、
別に介護は受けて居らん。へそ曲がりは、今更どうにもならんがの」
「そう・・」
「とにかく、介護を受けるようになる前に、それだけは本心からじゃ」
「それは、わかるけど・・」
「わしの言い方が悪かったのかも知れんが」
「何が言いたいのさ」
「いつ死ぬか、というのは、生きる目標なんじゃ」
「・・」
「まず、生命保険は最期の日まで続けなければ、保険金は出ん」
「それはそうだけど」
「じゃから、最期まできちんと続ける、と言うことになる」
「それで」
「わしが普段通り最期まで生活して居れば、家族も余計なことは考えんでよい。
人生の目的とは、そういう事で良いのじゃ」
「そうねぇ」
「死んだらみんなが忘れてしまうくらい平凡でありたいと思う」
「なんか、その気持ちは分かる気もするけれど」
「寿命が分かっていてそのときまで平凡に暮らす。これが人生の最後の大仕事
なのよ」
「爺さんらしい、と言うべきなのかしら」
「じゃから、まず寿命を知らねばならん」
「それはそうかも・・」
「そのためには、自分の健康状態をいつも知ってなければならぬ」
「だから、健康診断に熱心なのね」
「お分かりいただけたようじゃの」
「ところでさ、もしじいさん、生命保険に入ってなかったら、どうなるの」
「わっはっは。まあ、単なるその日暮らしじゃろうな」
「爺さんなら、どっちでも同じじゃないかとおもえるんだけど」
「そんなことはない。生命保険は、人生の仕上げに必要なんじゃ」
「どうかしら・・」
「年寄りにとってはそうなんじゃ。生命保険を単純に考えてはならん」
「でもねぇ・・」
「わしにウラはない」
「はいはい」
「わしの歳になれば、みんなも分かるじゃろう」
「爺さんみたいに、上手くへそ曲がりになれればいいけどね」
「なんとでも言いなされ。いずれ分かる事じゃ。わしの事ではなく、生命保険
の意味じゃが、の」
コメント(0) 

387  亀とロバ

「年金消失の詐欺事件じゃが」
「はい」
「年金だけでなく、生命保険は大丈夫なのかのう」
「ニュースを見たとき、俺もそう思った」
「みんなも心配しているかの」
「さあ、どうでしょうか」
「年金の問題って、要するに何なのかの」
「一口には言えないでしょう」
「複雑すぎて、か」
「いや、一つ一つの問題は単純なんです。でも、それらが絡み合うと、ほぐす
糸口が分からなくなるんです」
「なるほど」
「少子高齢化の為、と言うヤツは多いが、具体的に考える場合、論者によって
食い違う」
「有り得るのう」
「おれは、終身、ということだと思います」
「ほう」
「死ぬ迄もらえるんだから、働いていた年数と年金生活の年数が同じ、いや、
年金生活の年数のが長い、という例が出るかも知れない」
「なるほど。恐ろしいのう」
「そんなに長くもらうなんて、当局の想定外だったはず。いくらカネがあって
も足りない、と脅迫されているように感じるかも」
「じゃろうな」
「年金制度も、実は未完成、と言うべきかも知れません」
「欠陥だらけなのは当然、かの」
「制度が固まるまでには、あと300年くらい必要かも知れません」
「やれやれ。では、生命保険はどうなのか、じゃが」
「いくら長生きしようと、死亡保険金は変わらない。だから、保険会社は、支
払総額は常に把握しているわけです。そこが、年金制度と決定的に違う。なが
いきするほどもらうときが遅くなるだけ。終身払い込みだと、支払いが増える
だけにすぎない」
「年金制度よりは確実かの」
「それは分かりませんよ」
「そうかのう」
「保険会社がつぶれるのは珍しくなくなっている」
「するとなにかね、公的年金は実はもう破綻していると言うヤツも居るくらい
じゃから、ある企業年金、個別年金がつぶれてもおかしくはない、と」
「いや、まだそこまでは言えないでしょう」
「言えるようじゃ、こまるしの」
「でも、運用の苦しさは同じでしょう。生保の担当者は、内心ではいくらか同
情しているかも」
「かもな」
「運用利回りより、つぶれないことの方が大事、なんですがね」
「今度の事件で、みんなもわかったかの」
「まだまだですよ」
「うーん」
「のど元過ぎれば、です」
「・・」
「保険会社は利回り下げられますから」
「じゃから、年金も公的より民間のほうが、かね」
「300年たてば分かります」
「まいったの」
「いまは、利回りを下げる、と表明するところの方が正直なのかも」
「高利回りを唱う方がおかしい、と証明されたわけじゃし」
「そのことが分かるなら大丈夫ですが、他人事と思うのがほとんどでしょう」
「うーん」
「保険会社がつぶれても、自分がそこに入っていなければ関係ない」
「たしかに」
「高利回りを望むヤツが居る限り、詐欺は続きます」
「わかるがの」
「でも、保険会社は、自ら詐欺はやりません」
「ならば、生命保険のほうが年金より確か、じゃの。運用の素人じゃあないじ
ゃろうし」
「でも、プロ、とも言い切れない。保険会社自身が詐欺に遭うかも知れない」
「やれやれ」
「絶体、なんてもう無いんです」
「そうかもしれんのう」
「小さければ良いんですよ」
「どういう意味じゃね」
「規模がある程度を越えるから、欲と誘惑に負けるんです。うまみの出ない規
模なら、まあ、安全度は高い」
「大きい生保ほど危ない・・」
「自分のほうですよ」
「何が言いたいんじゃ・・」
「自分の欲が大きいことがそもそもなんです。あの事件でも、運用会社という
より運用担当者の欲に過ぎないんだ。頼む方も、自分の欲で決めているんだ」
「・・」
「保険金も年金も縁の無いヤツは詐欺には無縁です。もちろん、投資の火傷も
ない」
「そうはいうが・・」
「年金消失詐欺は、本当はすごい深刻な事なんです。意味が分からない方が、
毎日は安心して暮らせるでしょう。でも、いずれ影響は出る。もちろん、当局
は公言しませんが」
「やれやれ」
「薄氷でも、すぐ割れるとは限らないわけなんで・・」
コメント(0) 

386  熊と柴犬

「生命保険は、結局、貯金なんだね」
「解約返戻金のことかい」
「まあね」
「掛け捨てだと戻らないぜ」
「知ってる」
「じゃあ、掛け捨て以外は貯金になると・・」
「いや、掛け捨てでも良いんだ」
「どういうこと・・」
「毎月、保険料払うじゃないか」
「ああ」
「辞めれば、その金額が浮く」
「そうだけど、そんなカネ、すぐ消えてしまうぜ」
「まあそうだ」
「どうも、貯金、と言うことが分かんないな」
「最悪の時は浮かせる金額がある、と言うことが大事なんだ」
「・・・」
「その意味で、貯金なんだ」
「分かる気もするけど・・」
「まあ、生命保険の保険料は、命を貯金している、と言っても良いかも」
「そこまで言うのはどうかな」
「モノを買ってる訳じゃ無いから、何かの貯金と考えるべきだと思う」
「保障や安心、を買っている、というのは・・」
「この世に安心なんてものはない。震災が証明したじゃないか」
「それはそうだが・・」
「通帳を見るたびに、この引き落としが無ければ、といつも思うんだ」
「あはは、その気持はよく分かるよ」
「その分を貯金、という気持も分かってもらえると思うけど」
「そうか。分かった。実際に貯金出来るかどうかじゃ無くて、考え方なんだね」
「生命保険としては、普通の金額なんだけどね」
「いま、安いのはいろいろ出ているぜ」
「生命保険の保険料、というのは、安いほど良い、と言うもんじゃない」
「なんか、言ってることがさっきと違わないか」
「そんなことはないよ」
「そうかな」
「俺のは普通と思うけど、それなりの金額だからこそ、貯金だったらなぁと言
う気持にもなるんだ」
「そうか。少ないと本当に掛け捨てで終わってしまう、というわけだね」
「すくないからいいや、と言うのが一番ダメなんだと思う」
「なるほどね」
「死亡保険金も少ないなら、保険料が安いのは当然だから、まあ構わないと思
うけどね」
「うーん・・」
「そもそも、貯金、と言っても、自分が使うためじゃ無い」
「自分は死なないと保険金でないからね」
「だから、掛け捨でも、貯金と言うことと矛盾しないんだ」
「なるほど、そう言うことか。分かった。家族のための貯金、なんだね」
「そのとおり。でも、それが分かっていても、自分の貯金も欲しい。困ったも
んだよ」
「もっと収入が欲しい・・」
「それはある」
「当然だろうな」
「そして、あれこれ迷いながら、結局、かなりの期間続けることになる」
「そんなもんだろうね」
「でもね、若い頃は、給料天引きのためだろうが、毎月の保険料の金額なんて
気もしなかった」
「そうだったな」
「やっぱり、リストラ以後だよ」
「保険料が身近な問題になった・・」
「余裕がなくなったのさ」
「若いとき、その分貯金していたらどうだったかな」
「天引きでないとやはり無理だろう」
「たぶん。でもさ、天引きよりも、今のような口座引き落としの方が、金額が
見えるから良いんじゃ無いかな」
「見えるからこそ、あれこれ迷うんだ」
「それでも、見える方が良いと思う。天引きのために忘れてしまう、というのは、本当はまずい。もう手後れだけど」
「天引きだと、貯金なんて気持すら起きないかも」
「ありえるな。保険料が見えるからこそ、貯金ということを気にするんだし」
「結局、貯蓄タイプの生命保険が良いと」
「いや、逆だと思う。生命保険はあくまでも保険だけであるべきだ」
「貯金は貯金・・」
「たとえ今は出来なくても、貯金したいという気持をもつことが大事なんだ」
「なるほど」
「生命保険には入っているけれど貯金は出来ない、つまり、出来ていることと、
出来ないことが分かっていることが大事なんだと思う」
「それは良い心がけかも知れない」
「だって、何でもかんでも、なんて、もう無理なんだよ」
「たしかにそうだね」
コメント(0) 

385  狼とライオン

「マンションは終の棲家になるだろうか」
「条件次第でしょう」
「そう言われちゃぁ、それまでだが」
「まず、全員がそのつもりかどうか、です」
「それは道理ですね」
「それから、生命保険に入っていること」
「ええっ??」
「人生、最後を全うするにもカネが必要」
「うーん。それはそうだが・・」
「後始末代です」
「地獄の沙汰もカネ次第、か。しかたないな。でも、保険金の受け取りは遺族
でしょう」
「遺言を書いてもらい、保険証券を預かっておく」
「そこまで・・」
「そこまでやるから、最後まで安心して住めるんです」
「みんな納得するかな」
「出来ないなら、よそのマンションに引っ越してもらう」
「やれやれ」
「全員が同じ考えでなければダメなんです」
「わかりますがね・・」
「なにも、全財産預けろ、じゃぁない。保険証券だけ。遺言だって、保険金以
外のことは書かなくて良い」
「リバースモゲージではない、と」
「その通りです」
「保険料払えなくなったら・・」
「管理費から回す」
「そんなことして良いのか」
「死亡保険金で精算する」
「なるほど。考え方はわかる」
「そのためには、毎月の保険料が、すべてに優先します」
「うーん・・」
「何事にも、順序がある。経営者がなにをうなってるんですか」
「これは手厳しい」
「まあ、払い込みを止めて、払い済みにする手もある」
「その方が良いかも」
「もし、保険会社がおかしくなったら、否応も無く、そうせざるを得ないでし
ょう」
「はいはい」
「誰でも最後は死ぬ。だから準備は必要。そのための生命保険です」
「そうだなぁ」
「安心して死ねる場所だって、絶対必要なんだ。そこまで言うヤツは少ないん
だけど」
「確かにそうだ」
「住まいで死ぬのが最高だと思います」
「うんうん。言われてみると、死亡保険金で精算、というのは良いかもしれま
せん」
「生命保険の趣旨にも反しないと思う」
「そう。俺もそう思う」
「生命保険とはそのためのもの、とすら言いたい」
「これからなら、言えるかも知れない」
「生命保険の意味は、時代とともに変わって良いと思う」
「でも、歳取ってから気がつくと、それからじゃあ、もう入れないかも知れな
いし、入れても、毎月の保険料が高すぎて払えないかも知れない」
「必要最小限で良いでしょう。生保が無理なら共済でも良い」
「なるほど」
「あと、医療保険はやめること」
「冗談でしょう」
「やめたらすぐ病気になるわけじゃ無い」
「それはそうだが、みんな納得出来るかな」
「若いときの病気と、歳取ってからの病気は意味が違います」
「うーん」
「病気も人生、と言えるように歳を取りたい、と俺は思う」
「むつかしいな」
「歳取ってからの病気とは、自然の摂理だと思う。俺に、何を命じているのか、
なんです。俺は、自然の摂理の命じるままに生き、死にたいと思う」
「・・・」
「苦しむのはいやですがね」
「うん」
「若いときは生命保険、歳取ってからは共済、でもいいかも」
「若いときの生命保険が続けられれは、それに越したことは無いんだろうが」
「それはそうです」
「若いときは、終の棲家、なんて考えないしなぁ」
「当然です。歳取ってから考えること、考えるべき事ですから」
「結局こういうことか。生命保険は、歳とともに意味が変わってゆく。つまり、
若いときでも歳取っても意味を持つ。だから、入って置いた方が良い、と」
「あはは、お見事。でも、俺は保険会社員じゃ無い。そんなことは言いませんよ」
「分かります。俺が思っただけです」
「最後は、やはり経営者の本性を現しましたね」
「そう言われるとは思ったが」
「皮肉ではありません。感心したんですよ」
「まあまあ」
「間違ってないと思います。時代が変われば意味も変わる。だからこそ、生命保
険には時代を超える意味がある。それで良いと思います」
コメント(0) 

384  キツネとパンダ

「このあいだ、保険会社の担当が来たよ」
「何かあったのかい?」
「まさか。交代したんで挨拶に来たとのことだ」
「なるほど。でも、銀行ならともかく、保険会社が来る用事あるのかな」
「俺もそう思った。だから、来る前に電話来たけど、こちらには別に用事あり
ませんが、と言ったんだ」
「そしたら・・」
「新しく担当したので、と」
「なるほど」
「最初の仕事はあいさつに回ることなんだそうだ」
「へえ」
「なんのためなのか俺にも読めなかったが、仕事、と言われちゃ、むげに断れ
ないからね」
「あはは」
「知らない先へいきなりとは、ご苦労様、だよ。なんでそんなことさせるのか、
だね」
「そうだな」
「でも、やっぱり違うと思った」
「なにが」
「銀行だと、交代の時は、今までのヤツと一緒に来るじゃ無いか。でも、生保
は、事前に電話は来るけど、いきなり新しいヤツだけが来る」
「担当、の意味が銀行と違うんだろうね」
「まあ、生命保険だと、死ぬ迄、用事は無いはずだし」
「確認じゃ無いかな」
「どういうことだい」
「死亡保険金の請求が来た。でも、直前の訪問ではピンピンしていた、おかし
い、とか」
「定期的な確認か。なるほど。でも、事故かもしれないぜ」
「もちろん、調べるだろうが」
「あいさつ終わったら、契約内容の確認をしたよ」
「当然だろう」
「そうかな。だって、変更や追加なんてしていないぜ」
「そのことの確認だろう」
「そう言われちゃあ、それまでだね」
「それと、本当に契約した本人なのか、だ」
「やれやれ」
「だって、初対面なんだろ。その家で会ったからといっても、本人とは限らない」
「まあ、そうだけど」
「今後も保険料払い続けられるかどうか、もあるかも」
「まさか」
「ローンの金額よりは少ないとしても、ローンより長いだろう」
「それはそうだ」
「ドア開けて入れてもらった時、感じが普通なら良いんじゃ無いの」
「探偵じゃあるまいし」
「納得できたかな」
「いや、やっぱり何で来たのか分からないね。銀行ならともかく、保険会社に
は、つきあう、という感覚はない。生命保険には確かに入って居るけど」
「来るな、かい」
「そこまでは言わない。でも、用事があるときはこちらから行くから、少なく
とも俺の所は気にしなくて良い、と言う気持だね」
「そう言ったのかい」
「いや。そうか。言えば良かったかな」
「次の時で良いだろうよ」
「ほんとうはね、もう来ないようにからかってやろうか、という気持もあったんだ」
「おやおや」
「でも、来たのは本当に新米でさ、意地悪はやめたよ」
「あっはは」
「ベテランだったら、逆に、生命保険の意味について訊いてみようか、という
気持もあった」
「何を訊くんだ」
「もちろん、嫌がらせじゃ無い。いまも、生命保険と言えば終身なのか、終身
を本当に勧めているのか、ということだけ」
「そんなこと、社長でなければ答えられないんじゃないの」
「上からいわれているか、だけで良い」
「むりだね」
「そうかな。どうしてだ」
「生命保険の内容じゃ無くて、生保会社の方針のことだからさ」
「・・・」
「会社の方針を説明するために回る訳じゃ無いだろう」
「うーん。そういうことか・・」
「これから先のことなんか、誰も分からないんだ」
「それはそうだ」
「そんなこと考えたら、保険の仕事なんて出来ない。保険会社に入ったら、先
のことは考えちゃならないんだよ」
「・・・」
「入るヤツが考えればいいんだ」
「そんな」
「さきのことを考えるからこそ、アンタは生命保険に入ったんでしょ、だよ」
「まいったね」
「さきのことを考えるべきなのは、生命保険に入る側なんだ。保険会社には、
考えるべき義務も責任もない。それを伝えに訪問してるんじゃないか」
「恐れ入谷の鬼子母神、だな」
コメント(0) 

383  亀と猿

「このまえ、銀行へ行ったら、チラシを渡されました」
「今時、新しい商品ですか」
「それが、生命保険のこと、見直してみませんか、というもので」
「銀行でねえ・・」
「保険のこと、お気軽に相談ください、とも書いてあった」
「訳が分からん」
「なにが」
「保険のことを、保険会社でなく、銀行に相談しろ、ですから」
「そうだけど、案外正しいかも」
「なぜ」
「銀行の方が数多いし、それなりに行くから行き慣れている」
「なるほど」
「断るときも気楽だ」
「いや、カネ借りてると断りつらくなる。保険会社のほうなら、簡単に断れる」
「銀行には、利息減らしてくれるなら保険に入る、と言えば」
「あはは」
「お宅からカネ借りているんだから、カネが無いことはお宅の方が良く知って
いるはずだ、と言い返しても良い」
「うーん、なるほど」
「どこから勧められても、出来ないものは出来ませんよ」
「そのとおりですね。ところで、どんなチラシだったんですか」
「どうと言うことはありません。でも、気になったことがあった」
「へぇ」
「チェック項目がいくつかあるんですが、結論は、分からない項目があれば見
直しをお勧めします、なんです」
「どういうことかな」
「契約内容をどこまで把握しているか、なんです」
「かなり前に入ったものだと、忘れてしまうな」
「そこなんですよ」
「はぁ」
「もし本当に必要なもの、自分で決めたものなら、そうそうは忘れないはず、
という前提を感じたんだ」
「うーん」
「だから、忘れるようなものなら必要無いかも、と言う理屈じゃ無いかな」
「なるほど。言えるかも。でも、乱暴ですね」
「或いは、特約とかつけすぎて自分でもわかりにくくなっている、と言うこと
もあるかも」
「まあ、死亡保険金だけの単純なものなら、かなり前の契約でも、忘れること
はないのも確かだろうな」
「そういえば、いつ入ったか、というチェック項目はなかったな」
「おやおや」
「保険料についての質問の方が多かった」
「うーん、さすが、銀行のチラシだね」
「なんと言っても、ポイントなのは毎月の保険料、と言うことでしょう」
「なるほどねぇ。その通りでしょうね」
「毎月のローンの返済が滞ると、銀行は困りますから」
「そうか、家賃とかローンの返済額を忘れるヤツは居ないからか」
「無用な生命保険は辞めて、その分はローンの返済に回せ、ですか」
「考えすぎですよ」
「でも、こんな低金利のうちに、出来るだけ返しておいた方が良いのかも」
「そうか、それは言えそうですが・・」
「だから、保険会社にではなく、銀行にご相談ください、なんですよ」
「まいったな。出来すぎじゃ無いですか」
「今大切なのは何か、でしょう」
「生命保険と、ローンは両立しないんですかね」
「稼ぎしだいです」
「稼ぎが多ければ、毎月の保険料も、入ってる生命保険も忘れていて良い」
「そうすると、生命保険の見直し、というのは、稼ぎのチェックですか」
「そこまでは・・」
「少ないぞ、と言われても、稼ぎを増やすことは無理」
「じゃあ、生命保険をやめろ、と言うことになるじゃありませんか」
「ローン返済を辞められては困るからな」
「本当にそこまで銀行は要求しているのかな」
「まだかも知れませんが・・」
「いずれそうなると・・」
「だって、見直しを勧めるのが銀行なんだから」
「保険会社が見直しを勧めるときと、銀行が見直しを勧めるときは、ネライが
違うと・・」
「多分」
「まあ、誰であろうと、下心があってもおかしくはないが・・」
「ようするに、言われる前に自分で考えておく方が良い、と言うことでしょう」
「そういうことか」
「たかがチラシ、ではないのかも。誰が勧めるのか、をよく見れば、自分が見
落としていたポイントに気がつくということもある」
「たかがチラシ、されどチラシ、チラシも恐ろしいねぇ」
コメント(0) 

382  熊とシマリス

「最近になってですが」
「はい」
「俺は生命保険の入り方に失敗したかな、と思ってるんですよ」
「そりゃまたどういう訳で」
「本当に知識がなかった、というより、そもそも関心無かったんだな」
「どう入れば良かったんですか」
「まず、最初は、生命保険だけで、死亡保険金は最小限でいいんです」
「入院費などの特約なし、ということ」
「そうです」
「いわゆる医療費保障は必要無い・・」
「最初の契約は、ね」
「というと・・」
「必要と思ったら、別に医療保険なんかに入れば良いと思います」
「割高になりませんか」
「なるかもしれないが、最初の生命保険は、若いときの契約ですから保険料は
安い。だから、割高としても、たかがしれている」
「なるほど。その通りでしょうね」
「何年か続けていると、保険会社は増額を勧めてくるし、下取りして新しい生
命保険に、とセールスしてくると思う」
「でしょうね」
「それに乗ってはダメだ、ということです」
「保険料が高くなるから・・」
「そう」
「下取りだと、そんなには高くならないと思いますが」
「しかし、絶対に安くはならない」
「最初の契約年齢より年取ってるんだからやむを得ない」
「下取りするから、保障内容をかんがえると割安になる、というけど、保険料
そのものは高くなる」
「保障内容より金額・・」
「若いとき入ったんで安い保険料、というメリットを手放してはなりません」
「必要なものは、その都度、別口で追加してゆくのがベストですか」
「そうです」
「保険会社も分散できますね」
「そう。そして、いつでも最初の生命保険に戻れる、ということが大事なんです」
「そうか。分かった。いま、いかに安い保険に入るか、ではなくて、安く入っ
てる保険のメリットを生かせ、ですね」
「その通りです。今頃になって、安い保険を探す、なんて本末転倒なんです」
「なるほど。だまされるな、か」
「正確に計算したわけじゃないが、口数積み重ね方式だと、割高になるかもし
れないが、必要な期間だけ必要な保障、という方が、トータルでは安いんじゃ
ないかな」
「あまり必要もない保険の保険料分のお金が、有効に使える、と」
「実際は、無駄使いで消えちゃうだろうが」
「あはは」
「お金の有効活用、という建前ですけどね」
「無駄使いも、無駄なりに意味あるかも」
「それより、保険会社がつぶれても、影響がすくなくなる」
「なるほど。一つの大きな契約にまとめるのは危険ですね」
「割高になるのは、そのときのための保険料です」
「保険にも保険をかける訳か」
「そういうこと」
「保険の保険とは、まいったなぁ」
「リストラとか会社倒産で収入が大幅ダウンしても、最初の契約だけは残せる
と思う」
「なるほど」
「俺はそこで挫折したんです」
「・・・・」
「最初、就職とほぼ同時に生命保険に入りましてね、十年くらいたって、保険
会社のセールスに乗って、下取りして一回り大きな生命保険に入ったんです。
もちろん、毎月の保険料も高くなったが、給料も増えていたから気にならなか
った。でも、そのため、リストラになったとき、けっきょく、解約せざるを得
なくなってしまったんです」
「そうだったんですか」
「下取りのセールスに乗るんじゃなかった、とつくづく後悔しましたよ」
「うーん・・」
「機会があれば、若い世代に教えてあげたいですね」
「その気持、分かります」
「まあ、それはともかくとしても、まんいち、その最初の保険の会社がつぶれ
ても、保障もそれほどでないから、その意味でのダメージも少ないと思う」
「あきらめられる・・」
「そこまでは断言できませんが」
「で、最後はどうなりますか」
「支払いも終身の場合は、収入次第ですが、辞めて、払い済みにしておくとい
う手がある」
「ほう」
「保険金は払ってきた保険料次第だから、契約より減るけれど、生命保険とし
ての役割は変わりません」
「どっちみち、死亡保険金は、死んだあとしか出ないからね」
「そういうことです」
コメント(0) 

381  羊と狼

「狼さんは、平均寿命が延びているのを、どう思いなさるかの」
「良いことだと思います」
「本当かね・・」
「良いことに決まってるじゃないですか」
「そうかの。あんたの今の目は普通じゃなかったが」
「気の迷いですよ」
「まあよい。あんたはいつも別の意味で言っている、というウワサじゃからの」
「・・・・」
「なぜ良いと思うのか、と聞いたら、どう答えなさるかの」
「生命保険の役割が軽くなるからです」
「どういうことか、読めん」
「終身保険の場合ですが・・」
「おう」
「寿命が延びると、保険料払う期間も延びる。で、長くなりすぎて、払い続け
られなくなる場合が増えると思います」
「うーむ」
「生命保険というものは、長ければいい、長く続けるほどよい、というのは、
実はウソだ、逆だ、ということが見えて来ます」
「そうかのう」
「続けきれなくなったとき、分かります」
「さあて。のう」
「続けきれなくなったら、終身、の意味が無くなる」
「なるほどのう。道理じゃ」
「年取っても続けているべきものではないのですよ」
「わしの顔を、そんなに見つめんでも良かろう」
「いや、そんなつもりでは」
「長生きの時代には、生命保険は無用、というつもりかね」
「あるお歳以上の年寄りには無用だと思います」
「参ったの」
「たとえば、20代で入った場合、70年以上保険料を払い続けることになる
かも」
「なるほど。ありえるかも」
「70年以上払い続けるなんてどういうことなのか、です」
「おかしい、と言いたいんじゃな」
「生命保険に入れば、毎月保険料払うのは当たり前。しかしですよ、世の中は
70年間でどう変わるのか、と考えてみてください。70年前の契約で役に立
つのか、70年後も役に立つ契約なんてあり得るのか、です」
「ふむふむ」
「70年後のことは、保険会社も知らない」
「だからおかしい、そういうことじゃの」
「生命保険というものがおかしい、ではありません。長すぎるのがおかしい、
のです」
「どうしろ、と」
「長生きの時代だからこそ、生命保険は短くすべきなのです。最初から、続け
られないことは分かっているんですから」
「そうかのう」
「まあ、続けられるヤツも居るでしょうが、それは別の話だ」
「そうは思えんが」
「生命保険の成り立ちから言えば、終身というのは、邪道なんだ」
「そうかのう」
「終身、というのは、保険会社のための制度だ」
「そこまで言うかのう」
「保険会社を批判するつもりは無いから、それ以上は言いませんよ」
「で・・」
「生命保険の期間は、働いている間にすべきです」
「定年後はダメ、と」
「いや、改めて入り直すべきです」
「保険料が大幅に高くなる。そちらの方が保険会社は喜ぶ。アンタの考えは逆
じゃろう」
「ですから、保険金を大幅に減らすのです。そのために、入り直すのですよ」
「うーむ」
「本当は、もう入らなくて良いんですけどね」
「それはのう・・」
「毎月の保険料は、絶対増やしてはなりません。だって、収入は減る一方なん
だから」
「それは、分かるが・・」
「生きている間ずうっと生命保険にこだわるは、もう辞めるべきです」
「その言い方は、問題じゃ」
「もっと自由に、生命保険について考えるときなのです。毎月の保険料から解
放されて、のびのびと生きて欲しいのです」
「ほう」
「子育て盛り、働き盛りには必要。でも、無事、子育てもローンも終わった。
だから、生命保険もそこで終わりにして良いんです。終わりに出来る、という
のは、幸せなことなんですよ」
「うーん」
「定年後の生活はもう、意味が違う。だから、入り直せ、と言うんです。若い
ときの契約を続ける理由が俺には分からない」
「毎月の、保険料の金額の問題じゃろう」
「必要無い額の、死亡保険金に執着するからです」
「言い方、きついのう」
「保険金にこだわらなくなったとき、落ち着いた気持ちで、又入り直し、続け
れば良いのです。幸せ、というものは、無期限、無制限ゃ無い」
「まいったのう」
コメント(0) 
前の10件 | -